玉露は緑茶の中でも価格が高く高級品とされています。なぜ、高級品と言われる理由と玉露を美味しく入れるポイントをここでは解説しています。見た目が同じ煎茶やかぶせ茶との違いも同時に解説しています。
玉露が緑茶の中でも高級品と言われる理由
玉露は緑茶の中でも群を抜いて高級品と言うイメージですよね。
そして、煎茶や番茶のように「普段飲み」できる雰囲気の価格ではありません。一度は玉露を飲んでみたいと購入したのに飲むのがもったいないと思ってしまうのは私だけ・・・?
玉露が高い3つの理由
玉露がいかに貴重品なのか、を緑茶の生産量から見て見ましょう!
『緑茶の生産量』 出典先:平成26年農林水産省
・ 煎茶・・・・61.2%
・ 玉露・・・・0.3% たったこれだけ!
・ かぶせ茶・・4.9%
・ 碾茶(抹茶)・2.4%
・ 玉緑茶・・・3.2%
玉露が高いのは『生産量が少ない』からのようですね。その理由は・・・。
その1・新芽だけを使う
新芽は日々成長し摘採時期が遅くなればなるほど固くなります。するとお茶の品質が悪くなるばかりか味にも影響が出てしまいます。
その2・手摘みする
あえて手間がかかる手摘みを行うのか?それは人の手で摘む事で新芽の状態が分かる(芽の長さ)、そして古い葉や木茎などが混ざらないようにしているためです。その結果玉露の茶葉は芽の長さが揃っています。
その3・被覆栽培だから
被覆栽培する目的は、日光を遮る事でアミノ酸類、テアニン類の減少を抑え苦味・渋味成分を少なくする為です。作業としては新芽が1〜2枚開き始めた頃、お茶の木に「よしず」や「わら」で覆いをします。被覆栽培を行う事で水分が多く繊維質が少ない柔らかい芽になります。
まとめると・・・。
新芽を摘採できる時期が限られ手作業や煎茶に比べ栽培方法に手間がかけられているので、生産量も少なく貴重品と言う事で『玉露』は高くなります。
玉露を最も美味しく呑むコツ
1:人数分の湯呑みを準備する
玉露用の白磁製茶具セットは、玉露の水色が鮮やかに冴え見た目からも楽しませてくれます。
2:茶葉を準備する
玉露の茶葉量は3人分でティースプーン山盛3杯、約8~10gです
3:お湯の温度管理
玉露を美味しく淹れるポイントは『湯温』です。必ず沸騰したお湯を使用しますが、お湯を「急須→湯呑み→湯冷まし」に移し湯温を下げます。
・ 100℃のお湯を急須に移す事で約70℃前後に湯温が下がります。
・ 湯呑みを温めるためにも一度急須から湯呑みにお湯を移します。
・ 湯呑みのお湯を湯冷ましに移す事で湯温が約60℃前後まで下がります。
4:急須にお湯を注ぐ
湯ざましのお湯を急須に入れて、1分~2分半位ゆっくり蒸らします。
茶葉が広がってきたら湯呑みに注ぎます。
5:湯呑みに注ぐ(廻し注ぎ)
各茶碗に均等の濃さと分量になるよう廻し注ぎをします。そして、最後の1滴までしっかり絞り切ってください。
玉露を美味しく呑む4つのポイント
玉露の茶葉の具体的な量
玉露はとても高いの必ず美味しく飲んで欲しいです。ここでご紹介している基本は必ず守って欲しいと思っています。これを知っていれば玉露を何時も美味しく呑むことができます。
1:「茶葉の量」・・・8〜10g
2:「お湯の量」・・・40〜50度
3:「お湯の温度」・・・60〜90ml
4:「摘出時間」・・・120〜150秒(上玉露は約2分半)
(3人分とした場合)
お湯の温度が低いと『アミノ酸類』が多くなり「旨味」と「甘味」が増します。逆にお湯の温度が高いと『カテキン類・カフェイン』が多くなり「苦味」と「渋み」が強くなります。
つまり、玉露はうま味成分のアミノ酸を多く含むので、渋みを抑えてうま味を充分に引き出すように低温で入れます。
玉露は何回出せるのか?
一番煎じ目での出し方にもよりますが、玉露の場合二番煎じが限界かと思われます。三番煎じになると「味・色」とも薄くなります。
二煎目の入れ方としてはお湯を湯ざましに7分目位(約55cc)入れ、一煎目よりも湯温を少し高め (60℃程) にし、急須に入れてから60〜90秒程で出してください。
一煎目はとろっとコクを楽しみ、二煎目は一煎目とは違ったまろやかさを味わえます。
玉露を美味しく呑むには、1回ずつ茶葉を交換するのが良いかも知れませんよ。
煎茶・かぶせ茶の違い
玉露と煎茶、かぶせ茶は見た目が同じようでも実は奥が深いのですよ!
煎茶と玉露のお茶の色は『水色』でとても似ていますし、栽培方法ではかぶせ茶と玉露は同じ『被覆栽培』と言う方法をとっています。
煎茶と玉露の違い
煎茶は日光を浴びて育てる露地栽培で育成させ機械で摘採します。
玉露は日光を遮る被覆栽培で育成させ手摘みで摘採します。
露地栽培と被覆栽培の違いは、お茶の品質の違いとなって現れます。
この栽培方法の違いがお茶の味を決めています。
栽培方法によってこのように味に変化が現れます。
・ 被覆栽培・・・直射日光を避けることによって苦味が抑えられ、旨味が増します。
・ 露地栽培・・・苦渋みが強く、旨みが乏しく味が薄いので飲みやすいのは煎茶の方です。
また、機械摘みと手摘みの違いも品質の違いとなって現れます。この違いがお茶の特徴となります。
かぶせ茶と玉露のちがい
かぶせ茶、玉露とも被覆栽培と言う茶の木に日光を遮る覆いをして栽培する事自体は同じですが、かぶせ茶は玉露よりも被覆期間が短く煎茶に玉露のような特徴を持たせたのが特徴になります。
『かぶせ茶の味の特徴』
玉露のようにじっくり淹れて『まろやかな旨味』、煎茶のようにさっと淹れて『すっきりした味』それぞれに味わえるのが特徴です。
ま と め
玉露は値段も高く、そうそう飲む機会はありませんが、是非一度は飲んで欲しいお茶です。100gで購入するには抵抗があるのでしたら、色々なお茶屋さんで出している試供品30〜50g程度で試してみるのが良いと思います。
私は普段飲むお茶は煎茶や番茶が多いのですが、たまに玉露を飲みたくなる時はグラム数が少ない製品を購入しています。
気軽にお茶する事が良いのですよ。