玉露はお茶の中でも生産量も少なくその為価格も高く高級品として有名です、一度玉露を飲んでみるとその味わい深さに驚くことでしょう。玉露の生産地や生産量、味の特徴や美味しく淹れるコツ、保存方法を詳しく解説しています。

玉露の基本的な特徴

玉露

玉露は特殊な栽培方法で栽培させる為「一口呑めば玉の露が喉を転がっていく」と言われるほど味わい深いお茶です。

基本的に「煎茶」と「かぶせ茶」とお茶の木自体は同じなのですが日光を遮ることで光合成を抑える効果があります。これを『被覆栽培』と言い、その結果が玉露の味を出しているのです。


露天栽培との味の比較

玉露のあの味を出す特殊な栽培方法が『被覆栽培』です。煎茶などは被覆をしない露天栽培を行っています。同じように被覆栽培をする緑茶には「碾茶(てんちゃ)」「かぶせ茶」があります。

『被覆栽培の味の特徴』

・ うま味、甘みが強くなる
・ 苦味、渋味が軽くなる
・ 覆い香・・・青海苔のような香り
・ 茶葉の緑色が濃い

新芽が1〜2枚開き始めた頃に遮光率70〜80%の覆いを掛けます。
7〜10日後遮光率95〜98%の覆いをし20日後あたりに摘採します。

被覆で日光を遮る事で、お茶の旨味成分テアニン(アミノ酸)が増え甘み、旨味のあるお茶になります。その結果玉露の旨味成分は、煎茶の4倍以上となるのです。

玉露の有名な生産地ランキング発表

玉露の生産量割合率は緑茶の0.3%しか栽培されてなくとても貴重な緑茶です。全国での玉露生産量をランキング形式にしてみました。

平成30年度玉露生産量ランキング

第1位:京都府・・・生産量123t
京都府での生産で有名なのが京田辺市、宇治田原町周辺のほか北部の綾部市などで、 宇治玉露、田辺玉露、両丹玉露が有名です。

第2位:福岡県・・・生産量55t
福岡県は高級玉露の産地として有各で種茶品評会などで数々の優秀な成績を上げています。その中でも八女地方で生産される八女玉露、八女茶伝統玉露は最高ランクの玉露です。

第3位:静岡県・・・生産量12t
京都宇治、福岡八女に並ぶ日本三大玉露の産地として、農林大臣賞を受賞しています。

以下、熊本8t、滋賀県2t、佐賀県1tとなっています。

尚、三重県も統計上玉露の生産量14tを誇りますが一部「かぶせ茶」も含まれるので純粋な玉露生産量と言う点ではランキングには入れていません。

玉露の味の特徴

玉露のとろりとした口当たりや独特のコクの深い甘みは栽培方法が関係しています。

玉露の主な成分

・ カテキン(タンニン)・・・10
・ カフェイン・・・3.5
・ アミノ酸・・・29.1

玉露を美味しく淹れるポイント

玉露をおいしく入れるポイントはなんと言っても玉露に含まれる甘み、旨み成分(テアニンなど)を引き出す抽出温度の調節です。

玉露を美味しく淹れる4つのポイント

玉露その1:茶葉の量・・8〜10g
その2:お湯の適温・40〜50度
その3:お湯の量・・60〜90ml
その4:摘出時間・・・120〜180秒
(3人分として)

玉露の茶葉は1本1本が細長くよじれていて針のようにピンとしています。

玉露を美味しく飲む保管方法

玉露用茶筒繊細な味わいを最後まで失わないように、密閉容器に入れ高温・多湿、直射日光を避け保管します。
とっておきのお茶としていつ迄もとっておきたい心境になりますが、一旦封を開けたら2週間〜1ヶ月ほどで飲みきることで玉露を美味しく呑むコツです。

ま と め

お茶の中でも玉露自体の生産量が少なくそれ故「高級品」ですが、その味を一度試してみると虜になるかもしれませんよ。
私は普段飲みのお茶は煎茶や番茶が多いのですが、たまに玉露が無性に飲みたくなります。
あのまろやかな口当たり、深い甘みは一時のリラックスタイムにもってこいです。
ただ、値段が高いので頻繁に飲むことができないのは悲しいです。

出典先

全国茶生産団体連合会統計
茶をめぐる情勢・・・平成28年5月発表農林水産省