益子焼は今では益子大陶器市が開かれる程誰でも知る焼き物産地として有名ですが、戦後生活スタイルが変わった事で窯の火が消える危機もありました。そんな時ピンチを救ったのが峠の釜めしだったのです。

益子焼の2つの大きな特徴

『益子焼2つの特徴』
・ ぽってりした厚手の陶器
・ 釉薬(ゆうやく)・・赤茶色、飴色
が益子焼だと言われます。

益子焼急須

益子焼の陶土(とうど)はとても良質なのですが、粗い砂分が多いため材質の性質上割れやすく、重いです。逆にその厚手で素朴なシルエットが人気の秘密です。

また、益子焼独特の赤茶色、飴色は石材粉や古鉄粉を釉薬(ゆうやく)にする事で重厚な色合いとぽってりとした素朴なシルエットを醸し出しています。

釉薬の種類が豊富

釉薬と呼ばれる陶磁器を覆うガラス質部分との相性も良く、
・ 柿釉(かきゆう)
・ 糠白釉(ぬかじろうゆう)
・ 青磁釉(せいじゆう)
・ 並白釉(なみじろうゆう)
・ 本黒釉(ほんぐろゆう)
と様々な釉薬を利用し、見る者を飽きさせない良さもあります。

峠の釜めしは益子焼を救った

私自身鉄道ファンではありませんが、峠の釜めしを実際に見た時は驚きました。それもそのはず、駅弁のイメージが全くないから・・・。

駅弁峠の釜飯

ご飯が見えない程の具材で表面が埋め尽くされ、器が陶器なので片手で持ちながら食べるにはけっして軽くはありません。重い陶器の駅弁こそ今の益子焼を有名にした源だったのです。

益子焼復活劇

益子焼の歴史は大変古く1853(嘉永6)年にさかのぼります。

益子焼きの当時の主な製品は庶民的な物が多く例えば、かめやすり鉢、土鍋などの台所用品が主な産業として栄えていました。しかし、戦後日本人の生活様式に変化が訪れました。ガスの普及による軽く伝動効率が良いステンレス製鍋などが生産されたのです。
このような生活様式の変化が経営を一層苦しくさせました。

駅弁メーカー「おぎのや」に救われたのです。駅弁は冷たく、美味しくないものと敬遠されていました。しかし「おぎのや」が旅行者のニーズを堀越し「あたたかくて、家庭的な楽しいお弁当が求められている」と悟ったのです。

そこで塚本窯が考案した陶器で作った容器を使った『峠の釜めし』が作られたのです。今で言う『コラボ』と言うことですね。

この器が取り上げられる事となり益子焼業界は復活したのです。

峠の釜めしが買える場所一覧

現在、峠の釜めしは通販では取り扱っていないようです。(2020年1月現在)

『どうしても購入したい!』のでしたら、販売所まで行かなくてはなりません。

「峠の釜めし」が販売されている場所一覧

本店
所 在 地:〒379-0301 群馬県安中市松井田町横川399
営業時間
平日・・・10:00~16:00
土日祝日・・・9:00~16:00
季節により変動あり
アクセス:上信越自動車・・・道松井田妙義インターより車で5分

東京 銀座 ※販売店
所 在 地:〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10-1
営業時間:平日・・・10:30~20:30
アクセス
1:東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」A3出口より徒歩2分
2:東京メトロ日比谷線、都営地下鉄 浅草線「東銀座駅」A1出口より徒歩3分
3:東京メトロ有楽町線 「銀座一丁目駅」9番出口徒歩8分

横川店
所 在 地:〒379-0301 群馬県安中市松井田町横川297-1
営業時間・・・9:00~18:00
アクセス:上信越自動車道・・・松井田妙義インターより車で5分

諏訪店
所 在 地:〒392-0013 長野県諏訪市沖田町4-39
営業時間
平 日8:00~18:00
土日祝8:00~ 19:00
アクセス:中央自動車道・・・諏訪インター車で1分

長野店
所 在 地:〒388-8018 長野県長野市篠ノ井西寺尾赤川2328-2
営業時間・・・9:00~18:00(状況により変更あり)
アクセス:上越自動車道・・・長野インターすぐ川中島古戦場隣接

横川サービスエリア店(上り線)
所 在 地:〒379-0301 群馬県安中市松井田町横川字井戸入917
営業時間
・ レストラン:10時~22時
・ ショッピングコーナー:24時間営業
・ スナックコーナー:24時間営業
アクセス:上信越自動車道・・・横川サービスエリア(上り線)

詳しい情報は峠の釜めし株式会社荻野屋のHPをご覧ください。

益子焼窯元共販センターでは窯元の作品も展示・販売

益子焼窯元共販センター
益子焼のおすすめ製品は原点と言うべき日用食器でしょう。
マグカップや湯呑み、急須の他にその重さを考慮した花器なども素敵ですので目に留めて頂ければと思います。

また、益子焼窯元共販センターでは、窯元1つ1つの作品も展示・販売しているので、じっくり楽しむ事ができます。益子焼窯元共販センターHP

益子焼人気窯元の紹介とアクセス

益子焼の人気作家の作品も購入できる「やまに大塚」はギャラリーの展示だけでなく、陶芸教室・カフェ・レストラン等も併設しておりますのでお楽しみ頂けるのではないでしょうか。

やまに大塚
本店所在地・・・栃木県芳賀郡益子町城内坂88
・ 定休日なし
・ 営業時間・・・9:30~17:30(施設により異なる)
・ アクセス
車では北関東道真岡ICから約25分、JR宇都宮駅より約60分
電車では真岡鉄道益子駅から徒歩20分

詳しくはやまに大塚HPをご覧ください。

益子焼陶器市2020と陶芸体験

益子焼に興味をお持ちになったのでしたら是非『益子大陶器市』に足を運ばれてみてはいかかでしょうか?
益子焼に直接触れられる「益子大陶器市」は年2回開催されて毎年、ゴールデンウイークと11月3日前後にが開催されています。そして驚く事に500を越える店舗が出ていますので、急須や湯呑み以外にも欲しい物がきっと見つかる事と思います。

「2020年:第105回益子春の陶器市」

2020年春季開催は:4月29日(水/祝)~5月6日(水/祝)

益子大陶器市2020
詳しくは益子町観光協会HPをご覧なってください。

益子焼陶芸教室

栃木県内にはネット予約も可能な益子焼の陶芸体験などもありますから、見る・買うだけでなく自分の手で作り上げたいという興味を抱く方にはぜひ、そちらも含めてオススメさせて頂きます。

益子焼陶芸教室一覧
益子町観光協会HPでは『陶芸教室』ができる窯元の一覧が出ています。
詳しくは 益子町観光協会HPをご覧ください。

まとめ

まさかの驚きが「峠の釜めし」の容器が益子焼だったのですよ。急須や湯呑みなどの茶具やマグカップなどの生活用品だけかと思ったら・・・。

そして、一度は窯元の火が消えて無くなりそうになっていたのを駅弁が救った秘話は直接現地で峠の釜めしを食べて欲しいと思います。

益子焼の多くはシンプルが故に素朴に見えても厚みにより暖かみのある魅力があるとも言えます。色味も落ち着きがありながらそれでいて透明感のある鮮やかさがありますので、一度目に留めてご覧ください。